前回の記事では、国公立大学医学部の受験者数が減少し人気が下がっているという事をお伝えいたしました。前回の記事に関連して、今回は私立大学の医学部受験についてお伝えいたします。
果たして、私立大学でも人気が下がっているのか??
それでは、早速見ていきましょう。
私立大学のバブル期
前回の国公立大学編でもお伝えしましたが、2008年のリーマンショックをきっかけに医学部人気に拍車がかかり、「医学部受験バブル」と言われるまでになりました。国公立大学同様、私立大学でも医学部人気が高まり、受験者数が大幅に増加しました。この事を証明する1つのデータがあります。リーマンショック前の2005年、私立大学医学部の総受験者数は68,208名でした。その後、2014年の受験者数は何と110,286名でした。9年間で、約1.6倍になりました。倍率も2014年には何と19倍になりました。正に私立大学医学部にもバブルの波がやってきた事がわかります。日本は超高齢化社会を迎えるため、来るべき未来に備えようと医学部の定員を増やしましたが、定員の増加以上に、倍率は上がりました。
バブル期の終焉
しかし、現在、私立大学の受験者数および倍率は下がってきています。
以下のデータをご覧ください。
年度 | 受験者数 | 倍率 |
---|---|---|
2018年 | 107715 | 18.7 |
2019年 | 96319 | 14.9 |
2020年 | 94140 | 14.9 |
こちらは過去3年分のデータです。ご覧いただければわかるように、倍率が下がってきているのがお分かりいただけると思います。
特に倍率は先程もお伝えした2014年以降2018年度までは18倍台で推移していました。
しかし、2019年度に倍率は14.9倍に下がりました。私立大学の医学部受験で15倍を下回るというのは衝撃です。このデータからもおわかりいただける通り、私立大学の医学部受験人気も下がってきていると言えるでしょう。
今後の傾向について
では、医学部人気は、今後どのように推移していくのでしょうか?今では、ITの業界に人気が集まっていることや医師の労働環境・医学部受験での差別などを考えると、医学部人気が高まる積極的な理由はないと思います。したがって、今年度の医学部受験入試の倍率は、前年度と同水準もしくは下がると考えられます。しかし、コロナの影響により今後の経済の先行きが不透明なので、再び仕事が安定している医師を目指す方が増え、医学部受験人気に火がつく可能性はあると思います。
全学部の私立大学の平均倍率は4倍と言われています。そこから考えると、倍率が下がっているとはいえ、まだまだ医学部が絶大な人気を誇っているというのは間違いありません。最難関学部を受けるという意識を持って、たとえ倍率が上がっても合格できる自信があるように準備して受験に臨むのがベストだと考えています。
まとめ
私立大学医学部においても国公立大学医学部と同様に医学部人気が下がっています。
今年度入試でも医学部の倍率が下がるのであれば、間違いなく、医学部受験バブルははじけたと言えるでしょう。したがって、医学部に行きたいと思っている方は、今がチャンスと言えます。
もしかしたら、今後コロナの影響等で、雇用が安定している医師を目指す方が増え、医学部受験の人気が再燃するかもしれません。逆に、コロナウイルスが蔓延しても医療従事者は休むことはできないという「仕事の重さ」に怯んで、さらに人気が下がることも考えられます。未来がどうなるかはわかりませんが、少なくとも今年度入試で倍率が大幅に上がるということは考えにくいでしょう。
人気が上がっても、下がっても、最難関学部であるということは変わりないため、覚悟を持って受験対策をして頂きたいと思います。
今回の記事でご紹介した過去の記事
追伸:
医学部受験は情報戦と言われています。今回のように様々な情報を入手しているかいないかは大きな差となってきます。当会では、「医学部受験の教科書」という情報サイトを運営しています。こちらは医学部受験に役立つ参考書や問題集の提案、効果的な勉強法、各大学の特徴についてお伝えしているサイトです。以下URLを貼っていますので、ぜひご参考ください。
また、今回の内容は、YouTubeの「医学部受験チャンネル」を元にお伝えしています。こちらは、医学部受験に関する最新情報や、医学部合格のためのノウハウ等をお伝えしています。
合わせてご覧頂ければ幸いです。
「【衝撃!】データから見る!私立大学医学部の受験者数の推移(2020年度版)」へのコメント
コメントはありません